Ariana10ヶ月前、アリアナ・グランデの最大の反逆の行為はカリフォルニアのドーナツ・ショップで陳列されているドーナッツを舐め、目の前のジャンク・フードの山に向かって例の運命の言葉「アメリカ人なんて嫌いだ」を浴びせることだった。2つの謝罪のビデオは無視され、ジャスティン・ビーバーとのコラボレーションがあり、そして、彼女は変容を遂げた。通算3枚目のアルバム『デンジャラス・ウーマン』のジャケットに、彼女レザーのバニー姿で現れた。ドーナツ事件に較べれば、もっと控えめな「IDGAF(カンケーねーよ)」的瞬間がこのアルバムにはたくさんあり、その1つとして彼女はシンプルに「I Love Me(ワタシは自分が大好き)」と宣言している。

アリアナ・グランデのツイッターのフォロワー3800万人は、彼女1人だけがそうではないことを暗に示している。アリアナ・グランデは米国の子供向け番組専門チャンネル「ニコロデオン」の10代向けシットコム「ヴィクトリアス」に出ていたことで知られるようになり、7〜8歳の頃から12歳向けポップ歌手のキャリアを苦労して積み上げてきた。ほとんどテイラー・スウィフト並みの潔白さである。だが、この数ヶ月の間にその路線は公の場で緩和されることになり、3月に「サタデー・ナイト・ライヴ」でジェニファー・ローレンスやブリトニー・スピアーズの完璧な物真似を披露したかと思えば、今度は『デンジャラス・ウーマン』で自身の名前を「危険」な存在になぞらえた。クラブアンセムになりそうな“Into You”では「おバカな少年」に「A little less conversation and a little more touch my body(会話を少し減らして、もう少し私の体に触れて)」と言い、ホイッスル・ヴォイスとして知られる超高音域までその驚異的な音域の幅を広げている。よくマライア・キャリーと比較されるが、まさになのだ。

この曲はザ・ウィークエンドの“Can’t Feel My Face”から、アリアナ・グランデの2014年のメガヒット曲“Problem”までを手掛けたスウェーデン人のヒットメーカー、マックス・マーティンと共同で作曲された。マックス・マーティンはこの曲だけでなく、元気あふれるディスコチューンの“Greedy”や、「I’m bulletproof and I know what I’m doing(私は弾丸さえ平気。自分が何をしているか分かっているわ)」と歌うワルツ風のタイトル・トラック“Dangerous Woman”など、今回のアルバムに収録されている様々な楽曲を手掛けている。そして、性的な歌詞がアルバムを通してどんどん登場し、特にヤバいのは、ニッキー・ミナージュが「ディックの自転車」にまたがってとベタなレゲエで歌う“Side to Side”や、リル・ウェインが「このグランデでグラインドしている」と描写する情熱的なスロージャムの“Let Me Love You”あたりだろう。

このアルバムが、10代に人気のその他のスターであるデミ・ロヴァートやセレーナ・ゴメスの最近のアルバムよりも卓越してるのは、一貫した曲作りの影響力だけではない。たとえ、そのほとんどが共同作曲だったとしても、今のアリアナ・グランデからは女性の権利獲得に対する現代風のメッセージが率直に感じられる。これも昨年メディアが彼女のことをビッグ・ショーンの元カノ呼ばわりしたことについての抗議文をツイッターに載せて以降のことだろう。あの時、「私は誰のものでもない。私は私よ」とツイートした。すばらしい留めの楽曲“I Don’t Care”が来るころには、彼女があの感情をアルバムで非常に響き渡らせていて、本当に満足いく内容だ。「I used to let some people tell me how to live and what to be(以前はどう生きるべきか、何になるべきかを他人に語らせてたのよ)」と思い巡らせ、こう歌うのだ。「But if I can’t be me, the fuck’s the point?(でも、私が私でいられないなら、一体どんな意味があるわけ?)」

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