OTCD-5430_cover大げさにかき鳴らされるアコースティック・ギターのロック・ロマンスを愛する、カグールを被った、どこにでもいる人たちをワクワクさせる、そんなアルバム、表面的にはそうかもしれない。しかし、その内側には、死と暴動、革命、テロリズム、裏表2つの顔を持つ政治家たち、こっそり裏側で大衆を操るメディアが、嘔吐を催すくらいの激流で渦巻いている。今のような声を上げない主義の時代、リチャード・アシュクロフトみたいな、鬱々とペチャクチャしゃべりっぱなしの引用マシンをお帰りなさいと迎えられるのは大いなる救いだ。6年間、要求が多くてうるさいスマートフォンや、無害で退屈なSNSのタイムラインの書き込みで溢れたこの時代とは無縁で過ごした後、リチャード・アシュクロフトは通算5枚目のソロ・アルバムを引っ提げ、左寄りのフォーク・ロックの世界に舞い戻っている。彼は、自身の地下階スタジオでテレビの前に座って、この10年余りの世界的に蔓延する残虐性を目の当たりにしてきた。その一方で、扇動的に見せかけた新しい慰めを作品に仕上げてきたのだ。

アルバム冒頭の“Out Of My Body”は気取ったカッコいいエレクトロ・ポップに聞こえるかもしれない。だが、ミックスされた爆弾の落ちる音が、その本当の意味を示している。「君にとってのウォーターゲート事件なんか探すな」とリチャード・アシュクロフトは唸る。彼は、主要メディアが、ネットで情報を拡散する前から、政治家の明々白々な腐敗から一般大衆の注目を逸らすことに加担していたと批難している。「Who employs you? Baby, they’ll exploit you… free of control, the way I like it(君を雇ってるのは誰だ?/ベイビー、奴らは君を利用するぜ……コントロールされるな/そうだそれでいいんだ)」。“Hold On”は間違いなく、2010年末から翌年にかけて起こったアラブの春の抗議行動と騒動であちこちに投げ入れられた催涙ガスと唐辛子スプレーについて歌った初のエレクトロ・ロックの楽曲だ。ザ・ヴァーヴの“Sonnet”風の“These People”はインターネットを騒々しい釣り行為の温床のような場所に変えた、他人をけなすという本来人間に備わっている衝動に立ち向かっている。一方、このアルバムの“The Drugs Don’t Work”とも言える“Black Lines”は、親友の死を切っ掛けに作られた曲で、毎日、夜が明けるまで長く絶望的な夜を何とか乗り越えるために憂鬱なもがきに直面していることを歌っている。アルバムはフォーク・ロックの大集合といったように豪華で、内部告発サイト「ウィキリークス」のように本質であふれている。

“Ain’t The Future So Bright”は、ラップとロックの要素が混ざった2010年発表の4作目のソロアルバム『ユナイテッド・ネイションズ・オブ・サウンド』のヴォコーダー・ラップの感じに似せているが、今回の『ジーズ・ピープル』はザ・ヴァーヴ時代のリチャード・アシュクロフトの絶頂期に非常に近いソロ・アルバムだ。以前一緒に仕事をしたストリング・アレンジャーを雇い、“This is How It Feels”ではとある非常に感動的なロマンスを叩きつけている。それは、現在の退屈なシンガーソングライターの集まりへの師範によるレッスンであり、対抗手段だ。リチャード・アシュクロフトのサウンドはアコースティック・ロックの黎明期まで遡って、彼らにどのようにして曲を作るのか示している。リチャード・アシュクロフトはタイトル・トラック“These People”で「I feel like I’m number one again(再びナンバーワンになった気分だ)」と歌っている。レスター・シティのプレミアリーグでの初優勝よりはずっと勝率は高いものとなっている。

ソロとしては16年ぶりとなる来日公演決定!

NME JAPAN presents リチャード・アシュクロフト ジャパン・ツアー2016

大阪
10月4日(火) ZEPP NAMBA
OPEN 18:00/START 19:00
TICKET:1Fスタンディング¥8,500、2F指定席¥9,500(税込・1ドリンク代別)

東京
10月6日(木) ZEPP TOKYO
OPEN 18:00/START 19:00
TICKET:1Fスタンディング¥8,500、2F指定席¥9,500(税込・1ドリンク代別)

10月7日(金) ZEPP TOKYO
OPEN 18:00/START 19:00
TICKET:1Fスタンディング¥8,500、2F指定席¥9,500(税込・1ドリンク代別)

公演の公式サイトはこちらから。

http://ashcroft-japantour.com

リリース情報

RICHARD ASHCROFT
“THESE PEOPLE”
リチャード・アシュクロフト『ジーズ・ピープル』
発売元:ビッグ・ナッシング / ウルトラ・ヴァイヴ
品番:OTCD-5430 定価:¥2,300+税
日本盤ボーナス・トラック収録予定
1. Out Of My Body / アウト・オブ・マイ・ボディ
2. This Is How It Feels / ディス・イズ・ハウ・イット・フィールズ
3. They Don’t Own Me / ゼイ・ドント・オウン・ミー
4. Hold On / ホールド・オン
5. These People / ジーズ・ピープル
6. Everybody Needs Somebody To Hurt / エヴリバディ・ニーズ・サムバディ・トゥ・ハート
7. Picture Of You / ピクチャー・オブ・ユー
8. Black Lines / ブラック・ラインズ
9. Ain’t The Future So Bright / エイント・ザ・フューチャー・ソー・ブライト
10. Songs Of Experience / ソングス・オブ・エクスペリエンス
※他、日本盤ボーナス・トラックを追加収録予定

アルバムのダウンロードはこちらから。

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