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パリ同時多発テロのために安全基準の観点から多くのライヴが中止となったのを受けて、フランスのライヴ産業の代表者団体は、3500万ポンド(約65億円)の緊急支援を要請している。

11月13日にフランスの首都を襲った一連のテロによって129人が亡くなり、350人の負傷者を生むこととなったが、イーグルス・オブ・デス・メタルのライヴ会場だったバタクランでは89人が亡くなっている。

フランスのライヴ・エンターテインメント産業団体「Prodiss」は、声明を発表し、ライヴ・エンタメ業界の経済は「この国家的悲劇によって打撃を受け、政府関連を含め同業界のあらゆる方面からの支援が必要」としている。

フランスのフルール・ペルラン文化・通信大臣は、同業界の打撃を緩和するために400万ユーロ(約5.2億円)の国庫補助金の交付をすでに約束しているが、「Prodiss」はこれでは不十分としている。

Prodissによれば、パリのライヴ・エンタメ関連のチケット・セールスはテロ事件後の1週間で昨年同時期と比べて、80パーセント落ち込んだという。

「危機が起きた時に機能するセーフティネットは存在しない」と同団体は述べ、「だからこそ、この業界は(緊急支援補助金の)増額によって保証されなければならない」としている。さらに、5000万ユーロ(約65.1億円)の国庫からの支援が「施設のセキュリティ強化費用の保障、(および)チケット・セールスの落ち込みへの対処」として必要になるとしている。

また「Prodiss」は業界に対して、12月中に行われる各ライヴでのチケット売上の一部をテロの生存者や被害者の家族を支援するため寄付するよう求めている。

事件後の初インタヴューでフロントマンのジェス・ヒューズは次のように語っている。「何人かの人(ファン)は僕らの楽屋にも隠れたんだ。でも、襲撃者はそこにも入ってくることができて、全員殺したんだよ。僕の革ジャンの後ろに隠れた人を除いてね」

ジェス・ヒューズは、次のように続けている。「みんな、死んだふりをしてたんだ。ほんとに恐ろしかったと思う。あれだけ多くの人が亡くなったのは、本当に多くの人が友人を置き去りにしなかったからなんだ。そして多くの人が身を挺して他の人をかばっていたんだ」

バンドは、パリでの事件を受けてツアーの残りの公演をキャンセルし、その後声明を発表している。その中で彼らは、彼ら自身について「恐怖に襲われた」、この経験については「想像を絶する厳しい試練」と、言い表している。

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