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ルー・リードの新たな伝記本の著者は、彼の元妻への暴力を詳述したことについて、さらにインタヴューに答えている。

『Notes From The Velvet Underground: The Life of Lou Reed』と題されたこの本では、ヴェルベット・アンダーグラウンドのフロントマンである、故ルー・リードのドメスティック・ヴァイオレンスが暴露されている。

著者のハワード・スーンズは、これまでにボブ・ディランやエイミー・ワインハウスについての本を執筆しており、140人に及ぶ友人や同輩、仲間へのインタヴューを基にルー・リードを「モンスター」と評している。

ハワード・スーンズは『クラシック・ロック』誌に対して次のように語っている。「彼が亡くなった時、彼に関する死亡記事は少しやさしすぎたと思うんだ。それは彼が人々に大切に思われていたからだけどね。でも、彼は時々、すごく不愉快な男だったんだよ」

「人間というのは複雑なものだけど、ルー・リードは誰よりもさらに複雑な人だった。人々は彼のことを『いやな奴』だとか『アルコール中毒』だとか『暴力夫』だと言っている。それに彼は人種差別的な発言もした。もっとも、あの時代ではそれが普通だったけどね。彼の過ちはいくらでも挙げることができる。だけど、彼は偉大なアーティストでもあったんだ」

「忘れてはいけないのは、ルー・リードには精神疾患があって、自身のセクシャリティにかなり混乱していたということだ。有名になったとき、彼は真っ黒の服にサングラスという出で立ちで、新しいキャラクターを作りあげた。でも、それは本当のルー・リードではなかったんだよ」

「『俺はルー・リードだ―ファック・ユー』と言って、自分を守ろうとしていたんだ」

ハワード・スーンズは次のように続けている。「伝記をすべて読んだら、彼の人物像のニュアンスが伝わると思う。それを伝えるために僕は2年もの歳月をかけてこの本を執筆したんだ」

本書はルー・リードの「創作過程や、精神衛生上の問題、バイセクシャルであること、三度の結婚、そしてドラッグとアルコールの中毒症状」に迫ったものだという。

1973年にルー・リードと結婚した元妻のベティ・クロンスタッドは次のように断言している。「彼は人を何もできなくさせるような感じだったわ。つかんで、殴り、それで、目の周りにあざができるのよ」

学校時代の友人、アラン・ハイマンも当時のガールフレンドを叩くのを目撃したという。「彼女がなにか言ったんだろうね。彼女が言ったことが頭に来てしまって、頭の後ろあたりを殴ったんだ」とアラン・ハイマンは語っている。「(僕の妻が言ったんだ)『彼女を殴るのを続けるのであれば、去るべきよ』って。そしたら、彼女の頭をまた殴ったんだ。それで彼女は『出ていって!』って言ったよ」

この本ではルー・リードが「ドナ・サマーみたいなニガーは好きじゃない」と発言したことやボブ・ディランについて「気取ったユダヤ人だな」と述べたことも引用されているという。

『NME』はルー・リードの管理団体にコンタクトを取っているが、返答はまだない。

『Notes From The Velvet Underground: The Life of Lou Reed』は10月22日に刊行される。

ルー・リードは2013年10月に肝疾患のために亡くなっている。

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