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リンキン・パークが、バンドをより大きなビジネスへと拡大させるため、「クリエイティブ・ビジネス・エグゼクティヴ」なる肩書きの人物を雇い入れていたことが明らかになった。

2014年に最新アルバム『ザ・ハンティング・パーティー』をリリースしたリンキン・パークだが、米国の経営学誌『ハーバード・ビジネス・レヴュー』で特集が組まれており、同バンドの会社「マシーン・ショップ」のキール・ベリー副社長は、彼らの目指すところについて同誌に以下のように寄稿している。

「この新しい局面の中で最も成功しているアーティスト達は、これまで築いてきたブランド力を強化させるため、新しいビジネス・モデルや新しい事業に目を向け始めています。彼らはブランドをテクノロジー、ファッション、ライフスタイルといった領域にまで拡大させているのです。それは本質的にエンターテインメントのプラットフォームになろうとしていることでもあります」

「2013年には、リンキン・パーク及びマシーン・ショップは、デジタル音楽(当初はダウンロード、その後はストリーミング)が音楽ビジネスを劇的に変えたという事実と向き合わざるを得なくなりました…。リンキン・パークが世界中で知られているということと、音楽という狭いカテゴリーの外にあるビジネス・チャンスの可能性について考えた時、そこには広大な、まだ手の付けられていない未開拓の市場が見えたのです」

また、ベリーは、同社がいかにしてヴェンチャー・キャピタル会社となり、スタートアップに投資し始めるようになったのかを次のように説明している。

「私達は従来とは異なるビジネス・パートナーシップやクリエイティヴなデザイン思考によるイノヴェーションに取り組むべく会社を再構築しました。1年の間にファッションやデザイン、テクノロジー分野での様々な事例を行い、こうした土台作りをした後に、従来の音楽マネジメント・モデルをこれらのイノヴェーション活動の支えとなるように進化させていくべきだと気が付いたのです」

「私達はヴェンチャー・キャピタル会社であるマシーン・ショップ・ヴェンチャーズを設立しました。まだ成長期にありながら消費者を重視している企業に投資していくのです。テクノロジーやデザインを通じて人とイノヴェーションを繋げるというバンドの精神と合致する、そんな会社にです。今の時代にブランドを維持していくということについて私達の持つ知識を投資する企業と共有したいと思っています。それと同時に、企業文化やヴィジョン、そして新たなビジネスの創造について彼らから学べることも楽しみにしていまず」

「私達は今なお音楽ビジネスの分野にいます。けれど、音楽を制作し販売するというのは、ビジネス全体の中では今や補助的な立ち位置となっています。今年の夏、中国の5つの都市でヘッドライナーとしてスタジアム・ツアーをする準備を進めていますが、同時に私達はテクノロジー企業や消費者ブランド、ヴェンチャー・キャピタル会社との提携について話し合う機会も設ける予定です。当然、これまでのように公演を行ってファンに会うというのは変わりません。しかし、素晴らしい音楽を作り続けるのに加え、今日のリンキン・パークは進化し続けるカルチャーやビジネスの展望に影響を与えるのによりふさわしい場所にきたと言えます」

同バンドはこれまでに数々のスタートアップ企業に投資しているが、その中には配達代行アプリ「Shyp」や相乗りサービスアプリ「Lyft」といった企業も含まれている。

リンキン・パークは最近では、昨年2014年11月にイギリスのロンドンとマンチェスターでツアーを行っている。

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