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ワイルド・ビースツは最後となるフェアウェル・ツアーの詳細を発表し、フロントマンであるヘイデン・ソープが『NME』のインタヴューに応じている。

ワイルド・ビースツは現地時間9月25日に15年の活動を経て解散することを発表している。ワイルド・ビースツは「終焉を迎えること」を突如として発表しており、フォールズやエヴリシング・エヴリシングを初め音楽業界から解散を惜しむ声が寄せられている。

「私たちはかけがえのないものを大切にする存在で、自分たちの人生を前に進めていく中で、それを減らしてしまいたくはないのです」とバンドは声明の中で述べている。「みなさんの愛とエネルギー、そしてこれを成し遂げるにあたってのお力添えには感謝しています。私たちがこんな夢を叶えることができたのは極めて幸運だったと思っているのです」

今回、バンドは解散にあたって未発表曲である“Punk Drunk & Trembling”の音源を公開している。2016年にリリースされたアルバム『ボーイ・キング』のセッション中にレコーディングされた楽曲で、アルバムのアナログ盤限定で収録されていた“Maze”と“Last Night All My Dreams”と共に新たにリリースされるEP『パンク・ドランク&トレンブリング』に収録される。

EP『パンク・ドランク&トレンブリング』は、デジタルで10月20日に、アナログで11月17日に限定版10インチEPでリリースされる。

ワイルド・ビースツはまた、フェアウェル・ツアーの日程を発表している。

フェアウェル・ツアーの日程は以下の通り。

February 15 – Dublin Olympia
February 16 – Manchester Albert Hall
February 17 – London Eventim Apollo

また、フロントマンであるヘイデン・ソープは『NME』とのインタヴューに応じている。

ヘイデン・ソープによるインタヴューは下記の通り。

――今がお互いに別々の道を進むべき時だと感じたのはなぜですか?

「共時性の中で機能しているっていう意味で言えば、どのバンドも人間が努力して成し遂げた素晴らしい偉業だと僕は思っているんだ。お互いが時計仕掛けになっていて、お互いに重力で支え合うっていうね。僕たちは常に血気盛んなバンドで、和解なんて試みたことがなかったんだ。『ボーイ・キング』(2016年にリリースされた最後のアルバム)は最初のアルバム(2008年リリースの『リンボ、パント』)と同じくらい挑発的なアルバムになってて、僕たちのストーリー・アークになると思ったんだ。愛すべきことだって感じながら作っていたよ。まるで線香花火が燃え尽きていくのを見ているようで、初めて音楽を作った時と同じくらい熱く、眩しいものだったね。それでも、まだ輝いている残り火を追い回すのではなく、僕たちはその火を消すことを選んだんだ」

――解散は共通の決定だったのですか?

「もちろんだよ。僕たちのストーリーは別々のものであったとしても、僕たちは同じ愛を共有して、自分たちが作り上げたものをみんな大切に思っているからね。バンドって、考え方や人々の集合体だって僕は思っているんだ。僕たちのバンドを見ても、一人でも欠けたら完全ではなくなってしまうっていう感覚が分かってもらえるはずだよ。それこそ、僕が誇りに思っていたものだったんだ」

――解散に対する周囲の反応はいかがですか?

「僕たちへの感謝や愛を表明してくれたことには驚いたし、心に留めておきたいと思っているよ。実を言うと、こういう反応は予期していなかったんだ。今回初めて、自分たちが作り上げた世界を縮小して見ることができたと思っているよ。本当に驚いたし、すごくエモーショナルだった。きちんと消化して整理するまではしばらくかかりそうだよ」

――新曲の“Punk Drunk & Trembling”について教えて頂けますか?

「別れを告げる曲のつもりでは決して作っていなかったんだけど、色々な意味でフィットすると感じてね。僕たちの曲の中で一番進化を遂げた楽曲だと思っているんだ。ファースト・アルバムの頃に断片はできていたんだけど、曲として表面化するまで僕たちのキャリア全体を旅してきたんだよ。さよならを告げるのに、美しくて心を打つものがあると思うし、最初にこの曲を生み出した時と同じくらい明るく輝いているんだ」

――最後のライヴについて、何か特別なプランはあるのですか?

「あらゆる点で最善を目指しているよ。僕たちが作り上げてきもののカラーや幅広さを、過剰なまでに祝福したいと思っているんだ。だから、あらゆる選択肢がオープンになってる。かつてないほどに自分たちのゲームの頂点に立っていると感じているし、それを攻略したいと思っているんだ」

――将来的な再結成があると思いますか?

「僕たちはそういう類のバンドではないと思ってる。僕は自分の信念全体だったり、バンドについての僕の考えを完全に変えないだろうからね。バンドは美しいものだと思うんだ。人々の愛や喪失感、怒りや希望が一つの集合した夢となって現れる一過的なものだってね。もしも恵まれていれば、その夢を生きて、その夢を見て目覚められるんだ。もう一度眠りについて同じ夢に入り込みたいと思っても、夢の中のエッセンスは失われていくんだ」

――あなたやバンドメンバーの今後は?

「現段階ではよく分からないね。現在のところ集中しているのはバンドの最終章なんだ。でも、次に何があるのか分からないことには美しい部分もあるわけでね」

「ギャングがいなくなって何をするのか?というところはあるよね。いろんな意味で証人保護プログラムを受ける必要があるね。それで、ここ数年間のものすごい生活や自分が見てきたこと、やってきたことについて語っていいものかどうか見定めようと思うんだ。バンドにいるっていうのは、すごく直感的で、いろんなことの起こる、パワフルな時間だからね」

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