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グラストンベリー・フェスティバルでのエド・シーランによるループペダルを使ったステージを受けて、彼にループペダルの使い方を教えたというミュージシャンのゲイリー・ダンが自身の見解を語っている。

エド・シーランはライヴでループのエフェクター・ペダルを使うことで知られており、ライヴの生演奏の中でループとなるフレーズを録音しながら、演奏を行っている。しかし、この機材を使ったエフェクトが一部の人を戸惑わせ、バッキング・トラックを使っているのではないかという疑問を呼ぶ事態となっている。エド・シーランはその後、ツイッターで以下のように反応を示している。「説明しなきゃいけないと思ったことなかったよ。でも、僕がライヴでやっていることはすべて生演奏なんだ。ループ・ペダルでバッキング・トラックじゃないんだよ。どうかグーグルで調べてみて」

「10年か15年前くらいは、ライヴでのループについて説明しなきゃならなかったのを覚えてるよ……職人技として理解されていたと思ってたんだけど……明らかに違ったわけだね」とゲイリー・ダンは「BBCニュースビート」に語っている。「もう今となっては、『エド・シーランがやるやつ分かるでしょ? 僕がやってるのはあれなんだ!』って言えるわけだけどさ。本当に面白いよね。ライヴの翌日に、エドともその話をしたんだ。僕たちってループ・ペダルを使うオタクだよなっていう話をしてね」

ゲイリー・ダンは続けて、当時14歳だったエド・シーランに初めて会った時のことを振り返っている。「ある時、僕はシェパーズ・ブッシュ・エンパイアでループ・ペダルを使ったソロ・ライヴをしていたんだ。当時の僕は駆け出しのミュージシャンだったから、ファンの家でライヴをしたりして食い繋いでいてね。ライヴから数日後のある日、エドのお父さんのジョンからメールが届いたんだ。『エドという14歳の息子がライヴでループを観て感激したようなのですが、ぜひ息子の15歳の誕生日パーティーに来ていただけませんか?』ってね」

「それで、電車の駅までエドと彼のお父さんが僕を迎えに来てくれて、エドと彼のティーンの友達のためにライヴをしたんだ。その日は夜遅くまで一緒にループ・ペダルをイジって、基本的な使い方を教えてあげたんだ。それが僕らの友情の始まりだね。まさか世界有数の大スターになるなんて想像もつかなかったけどね」

ゲイリー・ダンはさらに次のように続けている。「人々がライヴを観て、彼がやっていることの複雑さや繊細さを知らずに芸術性を批判しているのは興味深いよね。もし彼が0.5秒早くボタンを押してしまえば、曲が丸々調和しなくなってしまうんだよ。つまりさ、彼は自分一人でステージに立ちながら、音楽と共に時間の波に乗って、そして足を下ろす度にレコーディングしているか、ループさせているか、逆再生させているか、もしくは曲を調整しているんだよ」

「それってまるで、画家が世界中の視聴者に向けて他のことをしながら絵を描いているようなものなんだ。プレッシャーは計り知れないよね!」

エド・シーランはグラストンベリー・フェスティバルのセットリストで“Superstition”と“Ain’t No Sunshine”のマッシュアップを披露したほか、ライヴの終わりにはLGBTQのフラッグを身に着けている。

エド・シーランはステージにグラストンベリー・フェスティバルの前には自分が「場違い」なんじゃないかと感じていると語り、新しいファンを獲得する機会を楽しみにしていると語っている。

「僕は間違いなくあのリストにはふさわしくないヤツだよ」と、エド・シーランは「BBC」に語っている。「でも、それってかなりワクワクするんだけどね」

「実を言うと、ウェンブリー・スタジアムの時よりもワクワクしているんだ。自分のショウだと、誰かを勝ち取ることはできないからね。みんなお金を出してチケットを買って来てくれている訳で、その時点で彼らを勝ち取っていることになるからね」と、エド・シーランは説明している。「もしかしたら、ラジオで僕の曲を何曲か聴いたことのあるたくさんの人たちの前で演奏できるのかもしれないけど、彼らはグラストンベリー・フェスティバルに行くような人たちで、僕のファンではないからね」

エド・シーランはさらに続けている。「僕の音楽がまったく好きじゃない観客がいるっていう可能性だったり、ちょっと観てみようってくらいの観客がいるっていうことを考えると、ワクワクしてくるんだよね」

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