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レディオヘッドのフロントマンであるトム・ヨークは、イスラエル公演へのボイコットの呼び掛けに対する自身の見解を巡って、新たに映画監督のケン・ローチらが発表した声明で批判されている。

バンドは7月19日にイスラエルのテルアビブにあるハヤルコン公園でライヴを行う予定となっている。ライヴの発表を受けてロジャー・ウォーターズやサーストン・ムーア、ヤング・ファーザーズといったミュージシャンはその決定に「再考を促す」公開書簡に署名している。

米『ローリング・ストーン』誌に対してトム・ヨークはそうした状況について「途方もないエネルギーの消耗」と述べ、批判に対して次のように続けている。「僕らと個人的にやりとりをするのではなく、公の場で面倒に巻き込むことを選んだというのが、ものすごく悩ましいよね」

ロジャー・ウォーターズは先日、この件について個人的に連絡をとろうとしたものの、トム・ヨークが「会話を始めようとした試みを脅しと誤解した」と主張している。

これを受けて『わたしは、ダニエル・ブレイク』や『エリックを探して』といった作品で知られる映画監督のケン・ローチは「アーティスト・フォー・パレスチナ・UK」を通して声明を発表し、以下のように述べている。「トムの一件は、シンプルな二択の問題に過ぎません:彼は弾圧する側に立つのか、弾圧されている側に立つのか、ということです」

「アーティスト・フォー・パレスチナ・UK」もまた以下のような長文の声明を発表している。「米『ローリング・ストーン』誌は、レディオヘッドが7月にテルアビブでコンサートを行うことに反対する、ミュージシャンやパレスチナ人たちの主張に対するトム・ヨークの反論を巧みに引き出してくれました。トム・ヨークの発言は、我々が4月24日に発表した、大主教のデズモンド・ムピロ・ツツやサーストン・ムーア、ジュリエット・スティーヴンソン、ピーター・コスミンスキー、ベラ・フロイト、タンド・アドピンプ、ロバート・ワイアットら、多くの人々が署名した『アーティスト・フォー・パレスチナ・UK』の公式書簡に対する、我々が望んでいたような熟考を重ねた上での反論ではなく、むしろその場での発言でした」

「我々はトム・ヨークの発言をよく読み、彼や彼のバンドがこれから植民地的状況がなおあるところへ行こうとしていることを理解しているという兆候を探しました。彼の発言からはその兆候を読み取ることができませんでした。パレスチナの住民たちは、トム・ヨークの発言を読んで、自分たちパレスチナ人が置かれている、土地を立ち退かざるを得ないという状況や、難民として生きることを強いられている状況、そして軍事支配下で生活することがどのようなものなのかを、トム・ヨークがきちんと理解しているのか疑問に思うことでしょう。トム・ヨークは、ギタリストのジョニー・グリーンウッドに『パレスチナ人の友人』がいること以外にはパレスチナ人について言及していません。我々の多くはパレスチナについて語っているのです、トム。だからと言って、パレスチナ人の村を解体して建設された4万人強を収容するスタジアムでライヴをしても構わないと考えている訳ではありません」

「我々は、レディオヘッドが『道徳的な決断』をできないと主張している訳ではありません。署名した我々は単に、レディオヘッドが誤った決断をしようとしていると考えているに過ぎません。トム・ヨークは、個人的にやり取りするのではなく、公の場でバンドを『面倒に巻き込んでいる』と批判していますが、少なくとも3人の同業者が、彼らに個人的にアプローチしたことを我々は知っていますし、また事実、個人的な交渉が実を結ぶことを願って、公開書簡の発表を数週間遅らせていました。しかし、実を結ぶことはありませんでした」

声明は次のように続いている。「トム・ヨークは、イスラエル首相のベンヤミン・ネタニヤフや分断の危険性について批判しています。トム・ヨークは、レディオヘッドがコンサートを行うこと自体が政治的声明であり、それが深く分断に繋がるものであるということを理解していないようです。それはイスラエルの公共社会に、パレスチナ占領や、パレスチナ人たちが苦しんできた退屈な歴史に頭を悩ます必要がないと呼びかけることになります。軍服を捨てなさい、自分たちが見てきたことやしてきたことは忘れなさいと。なぜなら、レディオヘッドはそれが重要ではないと語っているのです。代わって道徳的な決断を下したのです。レディオヘッドはすべては問題ないと伝えることになります」

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