Richard Johnson/NME

Photo: Richard Johnson/NME

モリッシーは、イギリスで新たに発行された合成樹脂素材の新5ポンド札が動物性油脂を含んでいるというニュースを受けて、声明を発表している。

この新5ポンド札は9月から流通を開始している。紙幣というよりポリマー紙幣と呼ばれるもので、これまでの5ポンド札に比べると耐久性が高く、長持ちであると見なされている。プラスチック製の紙幣は、オーストラリア、カナダ、ルーマニア、ベトナムといった国々ではすでに使用されている。

動物愛護運動家として知られるモリッシーは、考案者がその紙幣に「わずかな量の」の獣脂、つまり動物性油脂が含まれているだけだと述べたにもかかわらず、イングランド銀行に紙幣を取り替えるように要求をしている。「この新5ポンド札には、獣脂として動物性油脂が含まれています。これはイギリスで暮らす多くのヴィーガン、ベジタリアン、ヒンドゥー教徒、シク教徒、ジャイナ教徒などにとっては、受け入れられないものであります」と署名を集めるサイトには記されており、このキャンペーンは記事執筆時点で130,213人からの賛同を得ている。「私たちが普段絶対に使う貨幣の製造過程において、動物からの生産物を使用することをやめるように要求します」

https://www.change.org/p/bank-of-england-remove-tallow-from-bank-notes?recruiter=12006801

ヴィーガンとして広く知られるモリッシーはさらに、自身のファンサイト「トゥルー・トゥー・ユー」に声明を発表しており、動物性油脂の使用を「根本的に残虐な行為」と称しており、彼に賛同しない人々には「次の5ポンド札で着色などに使われるよう自身の身体をイングランド銀行に提供」するように促している。

彼の声明の全文訳は以下の通り。

「もしもイギリスの新5ポンド札が猫だか犬だかの一部分を含んでいるということを、イングランド銀行が明らかにしたのなら、この国は大騒動に包まれたことでしょう。しかし、牛や羊、豚などの卑劣な虐殺を受け入れるよう私たちは訓練されてきたので、イギリスのメディアは新5ポンド札に獣脂が使われていても軽視することしかできないのです。なぜなら、動物の虐殺は人間の知覚領域の外側の出来事だと思われているわけですから。しかし、動物を大切に思っているかはどうであれ、動物の肉体の一部分が新5ポンド札に使用されているという事実は、思いやりの心を持っているはずの人間の知性と人類に大きな穴が開いているということを、内面的にも外面的にも何となく想起させるのです。根本的に残虐な行為から人間性を復活させようとしている今の時代にイングランド銀行は何をしているのかをまったく理解していません。もしも動物の肉体を使用することに、道徳的な問題があるはずがないと感じているなら、次の5ポンド札で着色などで使われるよう自身の身体をイングランド銀行に提供することでその信念を主張すべきです」

モリッシーは先日、全米ツアーの残りの日程をすべてキャンセルすることを発表している。

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