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デヴィッド・ボウイのザ・スパイダーズ・フロム・マーズのドラマーであるミック・ウッディ・ウッドマンジーは、レディー・ガガがグラミー賞授賞式で行った追悼パフォーマンスを「悪趣味」だと批判している。

レディー・ガガは、今年のグラミー賞授賞式でデヴィッド・ボウイに敬意を表して追悼パフォーマンスを行っている。ナイル・ロジャーズも参加し、彼女はデヴィッド・ボウイのヒット曲のメドレーを披露したが、後にボウイの息子で映画監督としても呼び声の高いダンカン・ジョーンズは「非常に興奮し、理性を失った状態」と批判している。

ミック・ウッディ・ウッドマンジーはジギー・スターダスト・アンド・ザ・スパイダーズ・フロム・マーズのドラマーとして1970年から73年までデヴィッド・ボウイと共に演奏している。今回、彼もレディー・ガガのパフォーマンスに対する自身の考えを明らかにしている。ミックはここ数年、デヴィッド・ボウイの通算3作目のアルバム『世界を売った男』の全編の他、デヴィッド・ボウイの名曲を演奏する公認のツアーをプロデューサーのトニー・ヴィスコンティと共に行ってきた。彼はトニー・ヴィスコンティがレディー・ガガと出演する機会を断っていたことを明らかにしている

「実際、頼まれてたんだよ。トニーと僕はそのときツアー中だったんだけど、ガガと一緒にやるつもりはないかと訊ねられてたんだ。それで僕たちは見せてもらったんだ。4分という制限時間の中で14曲だか15曲だかをやろうとする案をね。僕たちは断固として『やらない。失せろ』って感じだった。だって馬鹿げているよ。彼の素晴らしさを何一つとして表現しようとしていなかったんだから」とミック・ウッディ・ウッドマンジーは『NME』に対して語っている。「適切な表現をしているものをたくさん見ることはできなかったよね。多くの人々が彼への敬意を表そうとしてきたのはいいことだ。最高だよ。だけど、優れているものは多くなかったわけでね」

さらに、彼は次のように続けている。「単に『お前たちは何でこんなことするんだ?』って思ったよ。もし敬意から出てきた偽りのない真心のこもったものなら、多分何とかなっただろう。だけど、悪趣味なだけで、明らかに誰も止めることはできないって感じのパフォーマンスをする理由が他にあるとすれば、あいつらはやりたいことをやる権利があるってことだね。だけど、それはまったく理由にならないよ。本当に」

レディー・ガガは最近、ダンカン・ジョーンズの批判について『NME』に対して次のように語っていた。「確かに傷ついたわ。でも、どうすればいいっていうの。どうしようもないわ……だって彼の父親でしょう。その瞬間、彼が何を感じたとしても、私は彼への同情と愛情を持っているわ。でも、そうね、もちろん傷ついたわ。私はそれでもデヴィッド・ボウイのファンとして自分のことを信頼して、認めてあげなくちゃいけない。私は彼の家族じゃないけれど、でも、彼にとっては父親だったわけだから。デヴィッド・ボウイじゃなくて、(本名の)デヴィッド・ジョーンズこそが彼の父親だったのよ」

「もちろん観るのは難しかっただろうけど、私はそのプロジェクトに取り掛かる前からデヴィッドのチームのたくさんの人を呼んだのよ。けれど、残念だったわ。何も言いようがないでしょう。でも、彼の幸運を祈ってるわ」

ミック・ウッディ・ウッドマンジーは先週、デヴィッド・ボウイと共に活動した期間についての回想録『スパイダーズ・フロム・マーズ:マイ・ライフ・ウィズ・デヴィッド・ボウイ』を刊行している。

デヴィッド・ボウイは、数々のシングル曲を収録した、死後にリリースされる初のベスト・アルバム『レガシー ~ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・デヴィッド・ボウイ』の発売が11月11日に予定されている。また、10月21日に生前最後にレコーディングした音源を収録したミュージカル『ラザルス』のオリジナル・サウンドトラックがリリースされている。同ミュージカルはデヴィッド・ボウイによって書かれ、彼が主演を務めた映画『地球に落ちてきた男』がインスピレーション源になっている。

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