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音楽ストリーミング・サービスのスポティファイやYouTubeなどによる収益の大幅な上昇により、20年ぶりに初めて音楽産業の利益が増加している。

最新の情報によると、ストリーミング・サービスにおける会員費やダウンロード料、YouTubeの広告費などのデジタル収益は、2015年音楽産業収益の45%を占めたという。一方、CDやレコードなどのフィジカル収益は39%に留まり、音楽史上初めて首位の座を奪われている。

音楽業界の世界的組織である国際レコード産業連盟IFPIの報告によると、ストリーミングによって人々の音楽に対する姿勢が完全に変わったという。ここ数年フィジカルの売上は徐々に落ちていたが、デジタルに追いつかれるまでには長い年月を要していた――しかし、ここにきて音楽産業の頼みの綱はストリーミングと言えるかもしれない。産業全体では昨年、合計で102億ポンド(約1.6兆円)の収益を打ち出し、そのうち20億ポンド(約3089億円)がストリーミングの売上によるものであり、加えてデジタルの売上は47億ポンド(約7259億円)であった。

売上が伸びているうちの1つの要因は月額の会員費であり、その部門の収益は1年間で66%増加し、2015年に4770万ポンド(約73億円)に達している。

IFPIのCEOであるフランシス・ムーアは、20年間の売上不振と苦難を乗り越え、「デジタル世代に我慢強く対応し、そして賢く立ち向かった業界」に賛辞を送っている。

しかし、すべてを楽観的に見ることはできない。ストリーミング・サービスは長い間、ストリーミング行為の価値を軽視するものとして批判されてきた。アーティストにおいてはほんの少しの利益しか得られない――1回再生するごとの収益は0.006ドル(約0.6円)から0.0084ドル(約9円)となっている。また、IFPIによるとスポティファイはレコード会社に対して、ユーザーにつき13ポンド(約2007円)しか払っていないという。さらにYouTubeは2015年、ユーザーにつき70ペンス(約108円)しか払っていない。

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