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メタリカのドラマー、ラーズ・ウルリッヒによると、音楽業界の衰退はストリーミングのせいではなく、アーティストに「刺激がなくなってしまった」せいだという。

「BBCワールド・サービス」によるインタビューで、ラーズ・ウルリッヒは「ストリーミングは音楽業界にとって良いものだと信じている。『ストリーミングはあまり稼げない』という人がいるけど、ストリーミングは皆が選択した結果だと思う。これは業界を構成するファンの選択であり、ストリーミング・サービスに楽曲提供したアーティストたち、そして彼らを代表するレコード会社の選択なんだ。15年前はこんな選択肢は存在しなかったよ」

しかし、ラーズ・ウルリッヒは、ストリーミングにより得をするのはインディ・ミュージシャンよりも、人気アーティストだということを認識していた。

「ストリーミングで利益を得るのは、おそらく既に人気のアーティストたちだろうね。多くのストリーミング・サービスで配信されているプレイリストは人気のアーティストを使っているようだし、それが現状みたいだよね」

代わって、ラーズ・ウルリッヒは、最近の音楽のクオリティーについて今日の音楽業界における大きな過ちの一つだと言っている。

「新しい音楽をあまり聴かなくなった理由は、聴きたいと思う素晴らしい音楽が減ったからだ」

「人気の音楽はただ今年のトレンドを繰り返すだけだ。ビートルズやマイルス・デイビスやジミ・ヘンドリックスのような、俺たちをまったく未知の音楽の領域に連れていってくれるものとは、かけ離れているんだ」

一方、ラーズ・ウルリッヒは、先日アップル・ミュージックやスポティファイの様なストリーミング・サービスを賞賛し、アップル・ミュージックへの協力を「悩むまでもない」と語っている。

「個人的にはアップル社の製品を37個も持っているんだ。しかも自分の分だけで。家族の分は別だ。だから、俺にとってその決断はすごく簡単なことだったよ」と述べている。スポティファイに関しては、ラーズ・ウルリッヒは「ダニエル・エクとスポティファイとはここ数年交友があるけど、得るものがある関係だね。彼は賢いし、俺たちの音楽を配信してくれている。俺たちは最も賢い人たちと関わろうとしている。会社をやっている人を見れば、その会社のことがよくわかる。ダニエルは音楽に関してすごく情熱的だし、彼に共感できるんだ」

「エディ・キューと、その他のアップル社の音楽サービスを運営している人々も同様だよ。彼らはアーティストや音楽などに対してとても情熱的なんだ。彼らとなら、安心して関係を築けると思わせてくれるんだよね」

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