LORDE/INSTAGRAM

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ロードが生前のデヴィッド・ボウイに会った時のことについてテキストを発表し、自分の「とんがった異質性」を抱えていくことを教えてもらったと綴っている。

ロードとデヴィッド・ボウイは女優のティルダ・スウィントンとともに2014年に一緒にいるところを撮影されている。当時、ロードはその写真をインスタグラムにアップしており、キャプションには「Heroes」とだけ綴られている。

今回、1月10日にデヴィッド・ボウイが亡くなったのを受けて、ロードは自身のアイドルと会った時のことを思い返して、テキストを綴っている。

「ミスター・ボウイ、今は少しだけこの話をしなければならないと思うのです」と彼女は書き出している。

「彼に会ったのは、ティルダ・スウィントンを讃える、贅沢な『ヴォーグ』のベネフィット・コンサートのことでした。会場は生花に溢れてて、わたしはまだ17歳にもなっていませんでした。アメリカはわたしにとって新しいことだらけで、間違いなく不安に苛まれていて、自分の人生に起こっていることすべてに対して不信感を抱いていました。そうしたものが、目を細めて、平坦な声で喋らなければならない、このジャンパンだらけの空間に連れてきたのです。ここで、わたしは自分に鞭打ち、身体を引きつらせ、プラットフォーム・ブーツを履いて、3曲を歌いました」

「その後、(アメリカ版『ヴォーグ』編集長の)アナ(・ウィンター)が私の手を掴んで、『デヴィッドがあなたに会いたがっているわ』と言って、私を引っ張っていきました。パーティに集まった人たち、丸テーブル、ろうそくやグラス、どんどんうるさくなっていくお喋りを抜けると、そこに彼がいたのです」

「わたしはそれまで自分のヒーローに会ったことはありませんでしたし、それでいいと思っていました。だって、そういうのってうざったいし、プレッシャーはあまりに巨大なものだし、楽しめないものですから。でも、デヴィッドは違っていました。話をしながら私の手を優しく撫でてくれたこと、彼の瞳に宿っていた光のことを、わたしは絶対に忘れません」

heroes

Lordeさん(@lordemusic)が投稿した写真 –

デヴィッド・ボウイ、ハッピー・バースデイ。BFAのアーカイヴからビリー・ファレルによるティルダ・スウィントン、デヴィッド・ボウイ、ロードの3ショット。

「その夜、私のなかで何かが変わりました――ある種の穏やかな気持ち、安心感が広がったのです。この短い時間で、彼はわたしを新しい人生へと導いてくれました。完璧なグレーのスーツに身を包んだ、年老いたロックンロールの異星人にして天使−−。わたしは自分がそれまでやってきたこと、そして今後やっていくであろうことすべてについて、彼が見守る中でやっていくように思えたのです。そして、自分のとんがった異質性を誇りに思っていることを理解しました。彼もそうした部分を誇りに思っていたからです。もうダンスを、最新のダンスを練習することを止めはしないと思いました」

「彼に対して抱く感情は変わることはないでしょう。この先の人生も、ずっといつも同じ車の中でぶつかり合っているみたいなものなのでしょう。ありがとう。デヴィッド・ボウイ」

デヴィッド・ボウイは18ヶ月にわたるガンとの闘病生活の末、1月10日に亡くなった。その69歳の誕生日である1月8日に最新アルバム『★(ブラックスター)』がリリースされている。

デヴィッド・ボウイのフェイスブックには「2016年1月10日、デヴィッド・ボウイは18ヶ月に及ぶ勇敢なガンとの闘いを受けて、家族に囲まれて安らかに亡くなりました。みなさんの多くがこの喪失を共有してくださることでしょう。しばらくは家族のプライヴァシーに御配慮をいただくことをお願い致します」というメッセージが投稿されている。

デヴィッド・ボウイ死去に寄せられた多くの追悼の中で、ドイツ外務省はベルリンの壁の崩壊を手助けしてくれたことに対して感謝の意を述べている。ラフ・トレード・レコードはデヴィッド・ボウイのアルバム・セールスの収益を1月いっぱい癌患者へのチャリティーに当てると発表した。また、ブライアン・イーノはデヴィッド・ボウイが彼に送った最後のメールについて語り、それが思い返せば、彼の別れのメッセージだったと述べている。

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