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バンドのメンバーの中でも(レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーを除けば)誰もインタヴューしたがらないのがベーシストだ。音楽の世界における、正当な評価を受けていない次男坊と言ってもいいだろう。そういうわけで、ここではそうした誤解を正していきたいと思う。ギター・ソロのことは忘れて、及第点の楽曲を思わず身体が動いてしまうような楽曲にまで見事に仕立て上げてみせた、偉大なるベースラインを祝福しよう。ここに、『NME』が選ぶ10選をご紹介する。

10. ダフト・パンク “Around The World”

“Around The World”に流れているのは未来のベース・ラインのサウンドだと言っても差し支えないだろう。映画『スターウォーズ』に登場するイウォークよりも毛羽立ったシンセ・ベースが流れてくるや否や、聴く者はすぐに心を掴まれ、フェスティバル会場にできた小便の水溜まりの上でも喜んで踊り出してしまうはずだ。

9. インターポール “Evil”

“Evil”の冒頭を飾る邪悪なベース・ラインは、すぐにインターポールのそれと分かるものだ。シンプルでスタイリッシュなこの楽曲には、地球温暖化を止められるほどのクールさも備わっている。

8. ザ・ブリーダーズ “Cannonball”

ディストーションがかかった「アウー」という歌声にかすかに入ってくるドラム。それらももちろん素晴らしいのだが、開始24秒に差し掛かる頃には、実にパンチの利いたベース・ラインに度肝を抜かれるという幸運が待ち構えている。

7. ナンシー・シナトラ “These Boots Are Made For Walkin”

ジャングリーなところに自信に満ちたウォーキング・ベース・ラインが入ってくる。(そのカヴァーで)ジェシカ・シンプソンが台無しにしてしまったのが残念でならない。

6. ニルヴァーナ “Come As You Are”

悲壮感が漂うこのグランジ・ナンバーは、初めてベースを手にしたひよっこの10代の頃に最も取っ掛かりやすかった楽曲だろう。

5. ニュー・オーダー “Blue Monday”

ピーター・フックの存在なしに、史上最も偉大なベース・ラインのリストを完成させることはできないだろう。そういうわけで、必然的にこのリストには2度彼が登場する。7分間に及ぶ"Blue Monday”の叩きつけるようなベース・ラインを聴けば、薄汚いインディーズのクラブに思わず閉店まで留まっていたくなってしまうはずだ。

4. ルー・リード “Walk On The Wild Side”

ハービー・フラワーズによる2つの(そう、2つの)連動したベース・ラインがトランスセクシャリティや薬物、ジゴロについて綴られた歌詞に陰影を与えている。ウッド・ベースとフレットレス・ベースによって奏でられるそれは、現存する最も印象的なウォーキング・ベース・ラインの一つだと言えるだろう。

3. トーキング・ヘッズ “Psycho Killer”

ベースの音が忍び寄り、聴く者たちを容赦なく突き刺していく。そう、まさにサイコ・キラーのように。ティナ・ウェイマスが奏でる熟成されたベース・ラインは、今にもドラマ「セイヴド・バイ・ザ・ベル(原題)」のスクリーチのように踊り出しそうな人々とっておきのリズムを提供してくれている。

2. ジョイ・ディヴィジョン “Love Will Tear Us Apart”

学校にあった机にはイアン・カーティスの歌詞がよく刻まれていたものだが、そんな感情の極上品を見事に機能させていたポスト・パンクのベース・ラインについてはどうだろう? 史上最も心に突き刺さるベース・ラインの1つだと言えるだろうか? 我々はそう思っている。

1. ピクシーズ “Debaser”

“Debaser”で奏でられるベース・ラインを前にすれば、20分におよぶギター・ソロですら自分たちの未熟さに隅ですすり泣き始めてしまうことだろう。強力な推進力を備えたこのベース・ラインは、まるで(飴を粉状の砂糖につけて食べる)ディップ・ダブを初めて食べた時のような極上の甘い体験をもたらしてくれる。

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