PRESS

Photo: PRESS

70年代、全盛期にあったエルトン・ジョンが、宿泊中のホテルのフロントに電話をかけ、窓の外でうなってる風を止めろ、とクレームをつけたというのは有名な話だ。まあ、でも彼ももう68歳だし、きっと丸くなっているだろう、そうだよね? いや、ハズレだ。“The Bitch Is Back”という曲も持つ男は、先日、米『ローリング・ストーン』誌のインタヴューで、ジャネット・ジャクソンについてこう語っている。「クソみたいな音楽誌がジャネット・ジャクソンについてレヴューを書いていて、『素晴らしいショウだ。星4つ半だね』なんてほざいてる。クソくだらねえ口パクだろ! ハロー! ドラァグ・クイーンを見に行ったほうがましだよ。いい加減にしろ!」。サー・エルトン・ジョンは何十年にもわたり、痛烈な皮肉を世に送り続けてきた。最近の発言を中心にいくつかの選りすぐりのものをご紹介しよう。

「Xファクター」(とクソみたいなポップ・ミュージック)について

「世の中にはいい音楽がたくさんある」と、エルトン・ジョンは最近『イヴニング・スタンダード・マガジン』誌に語っている。「ラジオ1のクソみたいなポップ・ミュージックより優れた音楽がたくさんあるんだよ。Xファクターみたいな番組も好きになれなかったが、もう廃れているので嬉しいね」

マドンナについて

2012年、エルトン・ジョンはアニメーション映画『ノミオとジュリエット』の主題歌で、ゴールデン・グローブ賞の主題歌部門にノミネートされていた。この部門にはマドンナ(エルトン・ジョンは過去に彼女について口パクだと非難したことがある)も映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』の主題歌で同じくノミネートされていたが、エルトン・ジョンは授賞式に先立ち、彼女の受賞について「絶対にあり得るもんか」と断言していた。さて、誰が受賞したんだろう!(結果はマドンナが受賞)。発言の模様はこちらから。


デヴィッド・ボウイについて

エルトン・ジョンは、デヴィッド・ボウイが故人となった以後も、彼との関係を美化することはない。「レコードのために一番いいことは、自分が死ぬことさ」と、彼は『イヴニング・スタンダード・マガジン』誌の記事で発言している。「死っていうのはすごく人気があるんだ。もちろん、誰もデヴィッドの死を望んでなんかいなかった。でも、驚異的な数を売ってるだろ、亡くなってから――2週間で200万枚だったかな。おまけにこれはCDだけの話で……デヴィッドと僕は最後は親友ではなかったんだよね。本当に良き友人として付き合いが始まって、マーク・ボランなんかとよくつるんで、ゲイ・バーに行ったりしてね、でも、離れていくことになったしまったと思ってる。彼は米『ローリング・ストーン』誌のインタヴューで、僕のことを“ロックンロールの安手の男娼”と呼んだことがあってね。それを見て、ちょっと自惚れてんなと思ったんだ。彼は僕の性に合わなかったし、僕も彼の性に合わなかったんだよ」

観客の権利のために

グロスターでの公演中、エルトン・ジョンは、観客が腕を振り上げるのを制止していた警備員に向かって次のように怒りをぶちまけた。「僕はここに音楽をやるために来てるんだ。そこにいる警備員たち、全員よく聞け。特に、そこのポニーテールの女性警備員だ。君たち厳しすぎるんじゃないか? ここにいる皆は音楽を聴きに来てるんだから、皆が手を振り上げたいと思ってるなら、そうさせろ。ここは中国でもないのに。ああムカつく! 制服を着てるからって、ヒトラーになったつもりか……そんなことは許さないぞ、腹が立つ!」その警備員は泣きながら走り去ったが、エルトン・ジョンは観客に向けてこう続けた。「彼女に同情なんていらない、これはコンサートだ、いいか?」。その後、彼は容赦ない規則に対する容赦ない態度を緩め、謝罪している。その時の模様はこちらから。


ポリティカル・コレクトネス(政治的中立性)について

控えめな表現を滅多にしないことについて、エルトン・ジョンは以前『ショートリスト』誌のインタヴューで次のように答えている。「こんなにもポリティカル・コレクトネスが浸透した世界で生きているから、僕の口はトラブルを招きがちなんだ」

“最近のポップ・ミュージック”について

サー・エルトン・ジョンが新しい音楽にも明るいということはよく知られており、近頃はヤング・サグを称賛したこともある。しかし、2010年には最近のミュージシャンについて率直に非難もしている。「近頃のソングライターはかなり酷い。全部同じように聴こえるじゃないか。現代のポップ・ミュージックにはあまり刺激がないね」

ミュージック・ビデオについて

バックステージを撮影したこの古い映像では、エルトン・ジョンがミュージック・ビデオについて悪態をついている。金切り声で「知ったことか!」と当たり散らしながら、「僕は音楽を作ってるんだ。クソみたいな映像を作ってるんじゃない。ミュージック・ビデオなんて大嫌いだ! 胸クソ悪い!」と叫んでいる。その様子はこちらから。


ドラマ「イーストエンダーズ」について

エルトン・ジョンは、BBCのドラマなら「イーストエンダーズ」より「コロネーション・ストリート」派のようだ。「いちいち『イーストエンダーズ』なんかにチャンネルを合わせて、みすぼらしい奴が卵を茹でる姿や、気に食わない夫の首をはねる女なんかを見なくても、新聞を読めば毎日うんざりするほど悲劇を目にすることができるだろう」と、『ショートリスト』誌のインタヴューで語っている。「ああクソッ、うんざりすることばかりだ。やめてくれ。この国はうんざり中毒だ。『イーストエンダーズ』なんかクソ食らえだ」

レコード・レーベルについて

エルトン・ジョンは『ショートリスト』誌上で、長年にわたり彼の髪を撫でつけてきた手にも噛みついた。「大抵のレーベル社長は間抜けだと思う。マシなのは5パーセントくらいだ。彼らは自分のためだけにその座についてる。アーティストのことなんて気にしてないよ。考えてることといえば、次のシングルのことだけ、これが彼らにとっちゃ麻薬の注射なのさ。コカインを15秒ごとにキメてるようなもんだね。もしアーティストが挫折したら、挽回のチャンスもない。彼らには少しのミスも許されないんだ。アメリカでは、レーベル社長はほぼ間抜けばかりだね。実際、不快な奴らだ。吐き気がする。彼らはクソみたいに頭が悪い」

Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.

関連タグ